開業して一年たちました(還暦開業ということ)

2008-12-03


 
  昨年12月、還暦<数え年>を期に20年間勤務していた渓和会江別病院を辞し、病院の近くで今まで診ていた患者さんや地域の方達を外来診療する目的でクリニックを開業いたしました。渓和会へは入院や私の専門外の検査治療をお願いしております。これまでと違い、入院ベットを持たずに外来で出来る検査と治療ということですが、私が考えていた以上に結構いろんなことができるんだなあ、というのが感想です。日常の中での治療につながる、生活を含めたいろいろなヒントを、患者さんとの会話から戴きそしてお返しするという繰り返しで、そういったコンタクトを勤務医時代にはとれていただろうかとい翻って考えてます。珍しい疾患や難しい手術の対象の患者さんや、医学的に貴重なケースには一生懸命取り組んでも、そうでないケースには、つまり興味の薄い疾患には、その患者さんにも関心が薄いということをしてこなかったか、という反省をさせられています。患者さんの真の訴えを聞き出すこと、とにかく耳を傾けてあげる事からスタートしたと言っても過言ではありません。それには、やはり常日頃からの対話が大変重要だな、と実感しております。そうしてこの地域に密着したいわばホーム・クリニックといった立場が大事だなーと感じています。
もう一つは、今まで医師として34年のキャリアーを具体的にはどうお返しするかということで、やはり専門的な消化器の検査と治療を何とかクリニックでできる範囲で頑張ろうと思っております、より大勢の方に苦痛なく受けていただくよう努力している毎日です。したがって選択したのが、鼻からの胃カメラです。この検査をもっと普及させ、より多くの方々に苦痛なく癌検診を受けていただこうと考えています。
 勝手な思いですが、私が面白い事は皆さんも面白いだろうと思ってクリニック発の講演会を8月に実行いたしました。夢枕獏さんと村上康成さんをお呼びして対談をしていただきました。最初でしたのでいろいろ大変でしたが、どうしても江別でやりたかったので、江別でしか告知しませんでした。しかも告知と準備期間は一ヶ月も無かったのですが、市民会館小ホールに当日100人ほどお集まりいただけ、大変楽しく盛会でした。待合室には、当院のロゴやキャラクターを書いていただいた村上康成さんや葛西マリさんの絵本が置いてありますが、今後もこういった方々の読み聞かせの会など、考えております。
 あっという間の一年でしたが、医療崩壊の中でやはり、我々現場の者が制度の穴を埋めるべく、小さな工夫と努力で患者さんの信頼に応えられるよう、的確な診療をこつこつ続けていくしかないだろうな、と思っています。そんななかでの患者さんや家族の方々と、色んな形での対話と出会いと、様々な状況を楽しめる精神状態で診療を続けられるよう努力して行きたいと思っております。還暦は出発点と考えています。全国でも団塊世代の新たな開業が増えていると聞いています。これからの緑苑クリニックをお楽しみに。
 


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北海道江別市で消化器内科“緑苑クリニック”を開業しております。 「#予防は治療に優る An ounce of prevention is worth a pound of cure. 1オンスの予防は1ポンドの治療に値する。」

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